しぼりたて!新酒の魅力

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しぼりたて!新酒の魅力

「熊本酵母」は、低温に強く吟醸香をよく出すという優れた性質を持っていることから、日本醸造協会の「きょうかい9号酵母」に採用され、1968(昭和43)年から全国に頒布されています。熊本県酒造研究所は、「香露」の醸造元だけでなく「熊本酵母」の研究機関としての役割も担っているのです。
 
「どの酵母もそうなのでしょうが、熊本酵母は放っておくと悪い方に変わろうとします。それを植え替えしながら、変わらないように守っていく。そうした努力を日々積み重ねています。酒造りは11月ごろから仕込みを始めて、3月中に搾り終わります。製造社員8人ほどで行うのですが、手作業も多く、その時季はかなり忙しいですね。熊本の最も基本的な酒という自負を持ち、香露ブランドを10種ほど手がけています」と小田さんは、研究と酒造りの難しさを話してくれました。
 
熊本県酒造研究所の周辺は元々、湧水が多い場所。敷地の北側には金峰山系の水脈が、南側には阿蘇山系の水脈が流れているそうです。酒造りには、3つの岩盤を抜いた地下120mから阿蘇山系の水を汲み上げて使っています。小田さんは「いい酒を造らないと、熊本酵母の評価も下がってしまいます。熊本の水や米を大切に使いながら、熊本酵母で造る伝統の味を守っていくことが私たちの使命だと思います。また、時代に合わせた酒造りにも取り組み、その成果を熊本県内の各蔵元と共有したり還元したりできればいいですね」と意欲をみせます。

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